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南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

子供のこと

《第三話 子供のこと》

「この仕事も結構疲れるんだよ。日本ももう長いこと暮らしたし、仕事も少しずつ減らして、トルコに住むつもりだから、いいね」
そんなことを言われたのは、いつ頃のことだろうか。
「うん、いいよ」
たぶん、そんなふうに気軽にオーケーしたように思う。
結婚するまで1年の半分は海外に出ていた私は、トルコがヨーロッパ以上に遠い国だと感じたこともなかったし、日本へのこだわりも特になかった。イタリア暮らしがトルコ暮らしに変わるだけで、海外生活は私のたっての希望でもあったのだ。

しかし、問題は子供。子供の教育だった。
私は、「いつ」というタイミングを選ぶべきか、そのことばかりつらつら考えるようになった。

子供たちは今はまだ小さい。しかし、あっというまに就学期を迎える。
日本の小学校に入ってしまえば、ひらがな、カタカナ、漢字・・・日本語の習得には多大な時間と労力が必要だ。ようやく読み書きができるようになり、学校生活にも慣れ、友達ができた頃に、「さあ、トルコに引越しよ。トルコの学校はトルコ語だけだからね。トルコ語も頑張ろうね」では、あんまり子供が可哀相ではないか。
小学校2~3年になってからでは、子供にかかる負担はさぞや大きいだろう。新しい土地、新しい家、新しい教師と学友、慣れない言葉(その頃、家族の会話はほぼ100%日本語であった)、慣れない授業・・・。
また、中学、高校にまで進んでからでは、受験の問題が出てくる。日本とトルコの授業レベルの差や、指導方法の違いにも大きなギャップを感じるはずだ。

結局、「引越しするなら、子供の就学前」そう結論を出した。

 つづく

《第四話 なにゆえにアンタルヤ》


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